【園内地図(MAP)付き】桜・紅葉・ライトアップの名所「白鳥庭園」の見どころ・回り方を徹底解説!

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【園内地図(MAP)付き】桜・紅葉・ライトアップの名所「白鳥庭園」の見どころ・回り方を徹底解説!

こちらのページでは、名古屋市熱田区の「白鳥庭園」の要注目ポイントや回り方を、豆知識も織り交ぜながらご紹介します。

また、桜や紅葉などの季節の見どころや、申し込めば誰でも参加できる市民茶会についても取り上げます。

広い庭園をより深く楽しむために、ぜひご一読ください!

まず・・白鳥庭園とは?

開園年月日

1991年(平成3年)4月14日

敷地面積

約3.7ヘクタール

※甲子園球場の敷地面積(3.85ヘクタール)とほぼ同じ

設計者

吉村元男

管理者

白鳥庭園管理事務所
しろとりの杜グループ
(岩間造園株式会社、株式会社トーエネック、公益財団法人名古屋市みどりの
協会)

所在地

〒456-0036 愛知県名古屋市熱田区熱田西町2-5

電話番号

052-681-8928

ホームページ

http://www.shirotori-garden.jp/index.html

白鳥庭園の読み方

白鳥庭園は、「しろとりていえん」と読みます。「しらとりていえん」ではありませんのでお気を付けください!

白鳥公園のテーマ(コンセプト)

白鳥庭園は、東海地方の地形をモチーフとし、築山を「御嶽山(おんたけさん)」、そこからの流れを「木曽川」、川の水が注ぎ込む池を「伊勢湾」に見立て、源流から大海までの雄大な「水の物語」をテーマにした池泉回遊式日本庭園です。

その敷地面積は約3.7ヘクタールで、東海地方屈指の規模を誇ります。

プロの手により美しく整備された景色が、四季折々に表情を変えながら、私たちを出迎えてくれます。

「池泉回遊式」庭園とは?

中央に池を築き、その周りに散策路を設けて、池の周りを歩きながら景色の変化を楽しめる造りの庭園。

白鳥庭園造園の経緯(歴史)

白鳥庭園の前身は「白鳥貯木場」!

白鳥庭園がある場所には、かつて、名古屋城築城のための材木置場「白鳥貯木場(しろとりちょぼくじょう)」がありました。

白鳥貯木場は江戸時代初期に名古屋の木材取引の中心地として開かれ、その後約400年間に渡って利用された、国内最大・最古の木材市場でした。

造営者は戦国武将として名高い「福島正則」と伝えられ、名古屋城造営に際しての木材を一旦、保管しておく場所として、はたまた木材を輸送した船を格納しておく場所として造営されました。

江戸時代にはヒノキ材を保管する場所だった!

1615年(元和元年)、良質なヒノキ材が調達できる場所として、古来、その名前を轟かせていた「木曽(きそ)」が尾張藩に編入されます。これにより木曽山中で伐採されたヒノキ材は木曽川へ流されて、名古屋城近くの堀川や名古屋城下を経由し、その河口となる「七里の渡し」から日本全国へ輸送されました。

これにより、名古屋は材木を取り扱う職人やその関係者が多く居処するようになり、たちまち材木の町として繁栄を極めることになります。

江戸時代になると、さらに拡張工事が行われ、明治時代に入ってからも国(明治政府)の管理下に置かれますが、拡張が実施されています。

このような白鳥庭園におけるの拡張工事は、昭和初期まで繰り返し行われ、その結果、昭和初期には、なんとぉぅ!!16万平方メートルもの規模を誇ったようです。(東京ドーム約4個分に相当)

以降、白鳥貯木場が利用されなくなると、その敷地は現在の「白鳥公園(白鳥庭園)」や「名古屋国際会議場」として現存することになりますが、現在の白鳥庭園は、白鳥貯木場を埋め立てた地の一角に、1989年(平成元年)に名古屋市制100周年を記念し開催された「世界デザイン博覧会」のパビリオン「日本庭園」として造園されたものです。

この後、さらに整備されて1991年(平成3年)4月に一般公開が始められました。

名古屋の材木が生み出した「世界のトヨタ」

愛知県と言えば「名古屋」や「名古屋城」がまず、パッとド頭に浮かびますが、もう1つ世界的な有名企業がド頭に浮かんできませんか?

ここまで言えばもうお分かりかと思いますが、・・そうです。「トヨタ自動車」です。

トヨタ自動車を創業した豊田喜一郎は、父親である豊田佐吉(トヨタグループ創始者)が製作した「木製自動織り機」の原理をもとにしてエンジン開発をすることになりますが、実は名古屋には木材を取り扱う人々がたくさん居処したことから、そのうち木材を使用した「からくり人形」が作られるようになります。

「からくり人形」は「ぜんまいバネ」と「カム」の働きによって作動しますが、このような「からくり人形」を作る技術が機械技師を生み出し、それが現在のトヨタ自動車に受け継がれているといった事実はあまり知られていません。

白鳥庭園の園内地図(MAP)を確認!

白鳥庭園の回り方・所要時間

入口は2つ

白鳥庭園の入口は、南側の駐車場に近い「正門」と、神宮西駅や熱田駅から近い「北門」の2つがあります。

ちなみに、正門のゲート部分の庇(ひさし)は「むくり」と呼ばれるやや膨らんだ形になっており、その斜面の両側から雨水が落ちるので、門をくぐる人に雨が当たらない設計となっています。

白鳥庭園へのアクセスや駐車場については、当サイトの以下↓のページでご紹介しています。

白鳥庭園の「アクセス(行き方)・駐車場」と「営業時間(開園時間)・入場料(入園料)・割引情報」

回り方は自由

正門または北門から入場した後、園内には特に順路などがあるわけではなく、回り方は自由です。

白鳥庭園は、大きく8つのエリアで構成され、それらを「白鳥八景」と呼んでいます。

園内中央に大池や芝生広場があり、それを取り囲むように散策路が整備されていますので、ぐるっと1周回りながら、8つの違ったテーマの庭園を観賞するのが良いでしょう。

おすすめは、右回り(時計回り)です。

ご紹介した通り、白鳥庭園は源流から大海までの「水の物語」をテーマとしています。

右回りで見ると、里→滝→渓谷→水郷→大洋という、水の流れの順番に見て回ることができるのです。

見学所要時間

通常、庭園を1周するだけであれば、所要時間は30分~40分程度です。

紅葉や桜が見ごろで混雑している時期は余裕を持って1時間程度を見込んでおくと良いでしょう。

所々にあるあずまやで休憩し、景色を眺めながらゆっくり歩くのも良いですよ。

池のコイに餌をやったり、茶寮「汐入」で休憩したりする場合は、その分の時間も計画に入れておいてくださいね。


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エリア別!白鳥庭園の見どころ

続いて、白鳥庭園の「白鳥八景」と、それぞれのエリアの見どころをご紹介します。

正門から入場し、「水の物語」の順番に沿って見ていきます。

 正門付近の「覗き」

門付近には、生け垣が切通しのようになっている狭い隙間があります。

これは「覗き」と呼ばれ、白鳥庭園の入口から、北側にある名古屋国際会議場の一部までを見通せる、庭園に奥行きを感じられる場所です。

1.里の景

「里の景」は、梅や桃の香りに満ちた人里を表現したエリアです。

入口の柿は、秋になると実を付け、収穫の豊かさを表します。

背の高い「マメガキ」がシンボルツリーとなっています。

 咲き分けの花

里の景の中には、「咲き分け」の梅や桃があります。

咲き分けとは、1本の木に異なる色の花が咲くことで、ここにある「日月梅(じつげつばい)」と「源平しだれ桃」は、共に紅白2色の花を咲かせます。

2.滝の景

築山で表現された「御嶽山」に降り注いだ雨が、渓谷へと流れ落ちる滝をイメージしたエリアです。

滝の景から隣の渓谷の景にかけてのエリアの滝の石組や川の護岸には、岐阜県の揖斐川(いびがわ)や根尾川(ねおがわ)周辺の揖斐石が約3000t、長野県上松の木曽石、岐阜県中津川市の御影石などが約3000t、合計で約6000tもの天然の石が用いられています。

特に揖斐石は、白鳥庭園造園の頃に川の採石を禁止する法律ができたため、現在では入手困難な貴重品であり、白鳥庭園は、天然の揖斐石で造園された、最後の大規模な庭園と言えます。

滝の石組は京都の著名な庭師・川崎幸次郎氏に依頼され、現地での作業は、高齢だった師に代わり、川崎氏に師事した佐竹三喜雄氏が担当ました。

水の流ればかりに目が行きがちですが、2人の巨匠による表情豊かな石組にも、ぜひご注目ください。

 雄滝(おたき)

雄滝は水が4段階で落ちていますが、上段の2段は見えないように設計されており、見ている人の想像力をかき立てます。

「滝見四阿(あずまや)」に腰掛けると、木々の緑の向こうに滝が望め、その水音が臨場感と清涼感を届けてくれます。

鯉魚(りぎょ)石

中国の「登竜門」の故事にちなみ、滝を上って龍になろうとする鯉(コイ)を表現した岩です。

「登竜門」の伝説によると、黄河の上流に「竜門」と呼ばれる激流があり、そこを上り切ることができた魚(鯉)は龍になれるのだと言います。

雄滝の下にあるのですが、どれが鯉魚石かわかるでしょうか?

 雌滝(めたき)

大きく豪快な雄滝に比べ、湧水が木々の間から低い段差をつたい、静かに落ちる滝です。

雄滝・雌滝の水量は何リットル?水源はどこ?

雄滝からは毎分約4000L、雌滝からはその半分の約2000Lの水が排出されています。

一般的なドラム缶1本に入る水の量は200Lということなので、雌滝はドラム缶10杯分、雄滝はドラム缶20杯分の水が、毎分、流れていることになります!

大量のきれいな水は、近くの会社の工業用水を、パイプを延伸して使用しています。

精密機械の製造会社なので、木曽川の水を非常にきれいな状態で引いており、庭園の水景を作るのにぴったりだったのだそうです。

3.渓谷の景

滝を下り、渓谷に流れ込んだ水が、巨石・奇石の間を縫うように進み、木曽川となっていきます。

荒々しくダイナミックな石組の上流から、なだらかで幅の広い下流へと、場所により違った表情を見せてくれるだけでなく、梅雨時の雨に濡れた様子、秋の紅葉に包まれた様子など、1年を通して様々な風情を楽しめます。

 寝覚ノ床(ねざめのとこ)

現在の長野県木曽郡上松町の木曽川沿いに、「寝覚の床」と呼ばれる景勝地があります。

木曽川の水流によって浸食され、上部が床のように平らになった花崗岩(かこうがん)が水面上に現れており、白っぽい岩とエメラルドグリーンの水、そして緑の山々のコントラストが美しく、国の名勝にも指定されています。

長野県木曽郡上松町「寝覚の床」

寝覚めの床は、竜宮城から戻った浦島太郎が暮らした場所とも言われています。

ここで玉手箱を開けた浦島太郎は、みるみるうちに300歳の翁となりました。

その時、浦島が「今までの事は夢だったのか」と、夢から覚めたように感じたということから、この里を「寝覚め」と呼び、岩の形状が「床」のようだったことから、この川沿いの場所を「寝覚の床」と呼ぶようになったそうです。

と、いうことで、白鳥庭園の渓谷の景の中にも、「寝覚の床」にちなんだ岩が据えられています。

4.水郷の景

滝と渓谷を経て流れが穏やかになり、木曽川は揖斐川(いびがわ)や長良川(ながらがわ)と合流します。

「水郷の景」は、中部地方の大河が出会う広大な濃尾平野の景色を再現したエリアとなっています。

静かな水面には、肥料や土、稲などを運ぶための田舟(たぶね)が一艘浮かんでいますので、探してみてください。

 千本松原(せんぼんまつばら)

庭園の中央の方に見える松が集められた場所は、岐阜県海津市海津町油島の「千本松原」を模しています。

かつて、木曽川、揖斐川、長良川の「木曽三川(きそさんせん)」がゆったりと流れる濃尾平野は、大雨が降る度に水害に襲われていました。

そこに江戸時代の1755年(宝暦5年)、薩摩藩士たちの手により堤防が完成し、堤防を補強するため、堤防沿いに約1kmに渡って宮崎県産の日向松が植えられました。

それが「千本松原」と呼ばれるようになったのだそうです。

薩摩藩士と千本松原

遠く薩摩(鹿児島)から、武士たちがこの地の治水工事に駆り出されたのには、江戸幕府の、薩摩藩の財政力を弱めようという目論見があったとされています。

実際に、この工事で薩摩藩は多額の出費を強いられ、借金までしたと言い、薩摩藩は工事の後も、借金の返済に長年苦しみました。
また、工事自体も、死傷者が多く出た難工事で、監督役だった薩摩藩家老・平田靱負(ひらたゆきえ)は、完了後に切腹しています。
こうしたことから、薩摩藩士の慰霊と治水工事の偉業を記念し、河口側の南端には、「宝暦治水碑」が設置されています。
また、上流側の北端には、平田靱負を祭神とする「治水神社」が祀られています。

 水琴窟(すいきんくつ)

水郷の景エリアの竹林を抜けていくと手水鉢があり、その前に水琴窟が造られています。

白鳥庭園の水琴窟は3つの異なる音が聞ける大変珍しいものですので、ぜひ試してみてください。

手水鉢の手前の地面に開いている穴に用意されている竹筒を差し込んで耳を当て、音を聞きます。

水琴窟とは?

水琴窟は、手水鉢やつくばいの近くの地面に釣り鐘型の甕(かめ)を伏せて埋めた仕掛けです。
かめの中は空洞になっており、かめの底に開けた小さな穴から水を落とすと、音が反響してきれいな音が聞こえます。
その音がまるで琴の音色のようだということで、水琴窟と名付けられたとされています。
白鳥庭園では、手水鉢の前に3つの異なる大きさのかめを伏せているため、3種類の音色が楽しめるのです。
ちなみにこの3つのかめは、愛知県常滑市の伝統工芸・常滑焼(とこなめやき)です。

5.海洋の景

滝、渓谷、水郷を経て、川の水はようやく海にたどり着きました。

くすのき橋と豊臣橋が一列に見えます。

海洋の景は、水面に浮かぶ中島「英傑島」には戦国時代の「英傑」の名前をとった「徳川橋」「豊臣橋」「くすのき橋」が架かり、伊勢湾を模した池と樹海、そして広い空を望める場所です。

中島のごつごつした岩組は荒磯を表現し、一方で、伊勢石の州浜(すはま)は穏やかな海を表しています。

東側の岸には、「伊勢湾」を一望できる「浮身四阿(あずまや)」が設けられています。

6.汐入の景

汐入の景の水辺「汐入の庭」は、汐(潮)が満ち引きを繰り返す海浜の景色を表現し、水しぶきを上げる噴水は、岩場に打ち付けるの波しぶきを表しています。

噴水は波しぶきの象徴

海を表現する水は、30分間隔・1時間サイクルで潮の満ち引きが起こるように設定されています。

「茶寮 汐入」で一休みしている間に、潮の満ち引きにより移り変わる景色を楽しむことができますよ。

満潮時の汐入の庭から外側の池に向かって水が流れ落ちる場所は、「天上の滝」と呼ばれているそうです。

三重県伊勢市の二見浦にあるパワースポット「夫婦岩」も探してみてください。

汐入の庭のチタンパイプ

水面のチタンパイプは、荒波に耐えて残った岩盤を象徴し、荒々しい岩場と砂地の境界となっています。

伝統的な日本庭園に、現代の新しい技術を取り入れた白鳥庭園らしい光景です。

<ランチ・休憩に>茶寮 汐入

「茶寮 汐入」では、「汐入の庭」を眺めながら、抹茶やコーヒー、ぜんざいやアイスクリームなどの甘味をいただけます。

11時30分~13時30分の間はランチタイムで、麺類とカレーが用意されます(売り切れ次第終了)。

季節のメニューもお楽しみに!

7.宮の渡しの景

白鳥庭園の南東側1.5kmほどの場所に「宮の渡し公園」として整備されている川辺は、かつて「七里の渡し」と呼ばれた海路の船着き場でした。

宮の渡しの景は、その賑やかな宿場町をイメージしたエリアです。

「宮の渡し公園」にも再現されている常夜灯が、歴史の香りを漂わせています。

水郷の景からも見えていた千本松原の松には、冬には芸術的な雪吊りがほどこされます。

8.清羽亭の景

茶室「清羽亭(せいうてい)」周辺のエリアです。

清羽亭は、世界デザイン博覧会で迎賓館として利用された建物で、江戸時代に「芸どころ」と呼ばれた名古屋で日本の伝統文化を継承する場として機能することを目指して建造されました。

現在は、名古屋市の施設として貸し出され、茶会や各種展示会などで利用できます。

秋の「観楓会」などの市民茶会や、毎月第3水曜日の「白鳥寄席」(観覧無料)の会場にもなっていますので、こういった庭園主催のイベントに参加すれば、自ら借りなくても、中に入ることができます。

清羽亭の予約方法

利用しようとする日の属する月の6カ月前の月の初日(初開園日)の「午前9時から午前9時15分の間」に申込書が正門受付で配布されます。

午前9時15分から抽選をおこない、結果順に申込みの受付けがあります。

料金は、午前3時間または午後3時間で2,400円から、午前から午後の7時間で4,000円からとなっています。

空き状況などの詳細は、ホームページでご確認ください。

 清羽亭

設計は茶室の第一人者と言われる建築家・中村昌生(まさお)氏が担当し、京都の数寄屋大工と尾張大工が協力して建てた、本格的な数寄屋造の建築です。

建物と自然の調和を重視した「庭屋一如(ていおくいちにょ)」という概念にのっとって設計された外観は舞い降りた白鳥をイメージし、離れが頭、渡り廊下が首、母屋が胴体・羽となっています。

母屋には2つの茶室と2つの広間、離れに1つの茶室があり、それぞれで茶の湯が楽しめます。

室内や渡り廊下からは非常に近くに水面が見え、どの部屋からも自然に包まれているような感覚が味わえます。

他にも、茶室から「清羽亭の景」を楽しむための工夫が随所に施されています。

例えば、夏の日差しを遮り、雨から土壁を守る深い軒は、室内から庭園を眺める際の縁の役割も担います。

また、庭の眺めを楽しむため、柱をなるべく減らした設計となっています。

建具には手打ちの大正ガラスが用いられ、表面がやや波打っているため、景色を柔らかく見えます。

広間から見た立礼席
大正ガラスとは?

明治から大正時代にかけて、イギリスで確立された手吹円筒(てふきえんとう)法という製造方法を用いて製造されたガラスです。
不規則な歪みがあり、ガラス越しの景色が若干曲がって見えます。
ガラスを吹き竿で円筒状に膨らませ、それを縦に切って広げるという手作業だったので、表面にゆがみが生じ、1つとして同じものはできませんでした。

 清羽亭の茶室

 立礼席(りゅうれいせき)

中洲に建てられ、渡り廊下で母屋とつながる離れには、椅子席の茶室「立礼席」があります。

萩の白糸編みの船底天井と周辺の水辺の景色が調和し、舟遊びを楽しむような風情を感じられる茶室です。

立礼席は十五夜の月が正面に上がるように計算されており、十五夜の前後4日ほどの期間には「観月の会」が催され、お茶と名月を楽しむことができます。

船底天井とは?

天井に勾配を付け、中央部分が両端よりも高く造られた天井で、船を逆さにかぶせたようだということで「船底天井」と呼ばれます。
部屋を広く見せる効果があり、数寄屋建築など和室によく造られます。

萩の白糸編みの船底天井(例)

 汲江軒(きゅうこうけん)

露地から躙り口(にじりぐち)をくぐって入る四畳半の茶室で、川に張り出すように建てられています。

庭園内でもっとも低い位置にあり、水面との距離は1m未満で、夏でも涼しく過ぎせます。

原叟床(げんそうどこ)という形式が取り入れられ、黒いマダラ模様のある錆丸太(さびまるた)を多く用いた、風流で開放的、そして寛いだ雰囲気の茶室になっています。

錆丸太

原叟床とは?

原叟床は、踏込床(ふみこみどこ)という床の間の形式の中の1つです。
1枚の地板で客座の畳を同じ高さ床を張り、床柱を立てて床の間を造ります。
床の間の上部を仕切る落掛(おとしがけ)を入れ、脇の壁の下方を吹き抜けにするなどの特徴があります。

 澄蘆(ちょうろ)

畳2畳と台目(だいめ)畳1畳で構成された2畳台目のこぢんまりとした茶室です。

中柱には、こぶしの皮付丸太を使用しています。

茶事の準備をするための勝手水屋と、円筒形の丸炉(がんろ)を設けた丸炉の間を備えています。

台目とは?

普通の畳の約4分の3の大きさの畳で、床の間などに用いられます。

 一の間

一の間(主室)は10畳から成り、北側に上段の間が設けられています。

上段の間は本来は位の高い人が座す場所ですが、展示スペースとして使うなど、茶室以外の使い方もできるように配慮されています。

床の間は、台目の3畳敷きです。

床柱には、京都の北山杉の磨丸太(みがきまるた)が使用されています。

磨丸太とは?

樹皮をはがした丸太を磨き上げたもので、床柱など装飾的な柱や長押、手すりなどに用いられます。

 二の間

二の間(次の間)は11畳で、東側に7尺床を設け、床脇を亭主が茶を点てる点前座(てまえざ)としています。

赤松の皮付丸太の床柱が趣を添えます。

一の間との間の襖を外して、21畳上段付きの大広間として使うこともでき、結婚披露宴をすることも可能です。

外には石庭が見えます。

 外露地(そとろじ)と内露地(うちろじ)

わび茶を大成した千利休は、露地について「樫の葉の もみぢぬからに ちりつもる奥山寺の 道のさびしさ」と表現したと言います。

清羽亭の露地はこの伝統的な心得を踏襲し、梅見門を境に、外露地と内露地とに区別して造られています。

外露地の緑の木々と苔に囲まれた石張りの通路「延段(えんだん)」と、それに続く飛び石は、「樫の葉が紅葉しないうちに散り積もった奥山への寂しい道のり」を象徴しています。

白鳥庭園のどこからでも見られた、花や川、池のある景色は、ここからは見えません。

梅見門をくぐった先の内露地は、山の奥に来たかのような静かな空気を感じられる所で、腰掛待合(内腰掛)も設けられています。

木々の隙間には、川の流れが見えます。


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白鳥庭園の四季の見どころとイベント(市民茶会)

白鳥庭園の四季の見どころや、茶会を始めとする主な行事をご紹介します。

季節の花々を満喫するための各種イベントや、季節に応じて趣向を凝らした茶会に、ぜひ参加してみてください。

日程は年により変わりますので、最新情報はホームページの「催事カレンダー」でご確認ください。

マルシェの様子
市民茶会の申込方法

花見茶会、清涼茶会などの市民茶会は、当日予約制・一席ごとの入れ替え制でとなっています。

当日午前9時に清羽亭入口で受付けが始まりますので、庭園を散策する前に、まずは受付・予約を済ませてください。

いずれも一席500円となっています。(受付時間・料金は一部例外あり)

茶道が未経験でも、お点前に付いて何も知らなくても参加できる市民茶会です。

席数には限りがありますので、申し込みはお早めに!

【白鳥庭園の春】しだれ桜

白鳥庭園のシンボルツリーのしだれ桜、「滝の景」の雄滝前の山桜など、白鳥庭園では各所で色々な種類の桜が見られます。

しだれ桜は、早いもので3月20日頃に開花し、1週間程度で見ごろを迎えます。

種類によって咲く時期がすれるため、白鳥庭園では4月中旬頃まで桜が楽しめます。

桜の時期には花見茶会、ゴールデンウイークには新緑を愛でるさつき茶会があります。

さつき茶会では、日替わりで「緑葉の席」「華の席」など、趣向の異なるお茶席が開かれます。

 観桜会・花見茶会

桜の時期には、「観桜会」として、「福よせ雛」と呼ばれるひな人形の展示や、地元野菜や特産品を扱うマルシェ、工作教室やスケッチ教室、講演会などのイベントが催されます。

中でも、3月下旬から4月上旬にかけての土日に清羽亭にて開かれる、花見茶会(市民茶会)は、毎年人気のイベントです。

清羽亭の内部を見学でき、お茶会と花見を同時に楽しめる機会ですので、ぜひ、ご参加ください。

白鳥庭園と周辺のお花見スポットについては、当サイトの以下↓のページでご紹介しています。

熱田神宮と周辺の人気お花見スポットをご紹介!「桜の種類・見頃(開花時期)・イベント(ライトアップ)」など

【白鳥庭園の夏】紫陽花(あじさい)と蓮(はす)

白鳥庭園では、5月中旬から7月上旬にはあじさい7月下旬から8月にかけてはには蓮の花が見ごろとなります。

夏の市民茶会は、これらの花の時期に合わせた「紫陽花茶会」「清涼茶会」です。

6月半ばの紫陽花茶会は、白鳥庭園や茶道が好きな名古屋在住の外国人によるお茶会で、彼ら・彼女らによる作品展示やスピーチも開催されます。

 観蓮会・清涼茶会

夏の観蓮会期間中は、浴衣や甚平などの和装で来園すると入園料が無料になる日が設けられたり、季節のワークショップが開催されたりします。

7月下旬の土日に開かれる「清涼茶会(睡蓮の席)」は、なんと氷でできた茶道具を用い、夏の暑さを忘れて涼をとる、一風変わったお茶会です。

氷の茶道具

なお、蓮の花の多くは早朝に咲き、時間が経つと閉じてしまうため、午後には見られない場合があります。

蓮の花を観賞するには、午前中の来園がおすすめです!

【白鳥庭園の秋】紅葉と月見

秋は、春と並び、来園者が特に多い、人気の季節です。

お茶会などもイベントも目白押しで、9月中旬には、「秋露祭(しゅうろさい)」、10月には「白鳥庭園の名古屋まつり」が開かれ、いずれも祭りの期間中はマルシェや各種創作教室、市民茶会で大変賑わいます。

特に紅葉が見ごろとなる11月下旬頃の「観楓会(かんぷうかい)」は見逃せません。

期間中はマルシェ(市場)が開かれたり、出店が出たりする他、茶会やライブ、ライトアップも催されます。

ライトアップ企画「あかりアート」では、庭園の池の周辺がライトアップされ、水面には観楓会の企画の参加者が手作りした「浮き灯篭」や「灯り鶴」が浮かべられます。

白鳥庭園と周辺の紅葉については、当サイトの以下↓のページでご紹介しています。

ライトアップに熱視線!熱田神宮と周辺の紅葉「見ごろ時期・おすすめスポット・ライトアップ・混雑状況・アクセスなど」

 観月茶会

白鳥庭園では、9月の中秋の名月に合わせて4日間に渡り、毎日観月茶会(十三夜の席、小望月の席、中秋の席、望月の席)が開かれます。

中秋の名月を観賞するために設計された清羽亭の立礼席にて催される、風流なお茶会・お月見に参加してみてはいかがでしょうか。

※9月上旬に白鳥庭園正門受付にて前売り券を販売

同じ時期には、星空観察会や展示会、ワークショップなども開催されます。

 観楓会・紅葉茶会・あかりアート(ライトアップ)

紅葉が見ごろとなる11月下旬から12月上旬にかけての観楓会では、紅葉茶会の他、「あかりアート」と題されたライトアッププログラムが人気を集めます。

紅葉や松の「雪吊り」の風情あるライトアップを、ぜひぜひ、お楽しみください。

雪吊りと言えば、11月下旬に開かれる「雪吊り縄投げ式」も必見です。

美しい雪吊りを作り上げる職人の腕前に、きっと驚かれることでしょう!

雪吊り縄投げ式

【白鳥庭園の冬】雪吊りと点て初め

冬の庭園と言うと、花も紅葉もなく、緑も減って寂しい景色をイメージしがちですが、ツバキ、サザンカ、水仙、梅など、案外見どころは多いものです。

雪吊りも見られますし、タイミングが良ければ、「汐入の庭」の水面に氷がはった、幻想的な光景にも出会えます。

白鳥庭園名物「雪吊り」の期間や見どころは?

雪吊り(ゆきづり・ゆきつり)とは、冬場の雪の重みで木の枝が折れないよう、縄をかけて枝を上から引っ張り、支えることです。

名古屋は温暖で、雪の被害の心配はあまりいらない場所ですが、白鳥庭園の雪吊りには造形美を楽しむという要素・目的があります。

「北部公園方式」という装飾的な雪吊り方法で、支柱の先端には「わらぼっち」を掲げ、美しい飾り結びも施されます。

円錐形に縄をかけられた松の木は、モミの木のクリスマスツリーのような形に仕上がります。

例年、11月中旬に設置を開始し、あかりアートの期間や正月を経て、2月末から3月下旬までかけて、すべての雪吊りを撤去します。

したがって、もっとも多くの雪吊りが見られるのは、12月~2月にかけてということになります。

 新春茶会

1月中の新春茶会は、3日間に分かれており、それぞれ別の茶室で開かれます。

特に最初のお茶会は、江戸時代、名古屋城の御殿で行われた「元旦の点て初め式」にのっとり行われます。

尾張徳川家の好みに合わせた装束や茶道具を用い、豪華で華やかな雰囲気の、特別なお茶会です。

1月には、着物で来園すると入園料が無料になるきものDayが設定されたり、企画展示や、琴・尺八・三味線などの演奏会が開かれたりもします。


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白鳥庭園のこんな楽しみ方「ガイドツアーに参加!」

白鳥庭園では、毎週土曜日に無料のガイドツアーが開催されています。

広い白鳥庭園でも、解説付きで歩けば、見逃してしまいそうな見どころや季節の花々にもしっかりと目を向けられ、充実した時間がすごせること間違いなしです。

土曜日以外のガイドツアーや英語によるガイドツアーも、1か月前までに電話予約をすれば、実施してもらえます!

ガイドツアー実施日・時間

  • 毎週土曜日、10時~12時/13時30分~15時30分
予約

  • 不要

【補足】白鳥庭園「名前の由来」

白鳥庭園が属する白鳥公園の北東側の橋を渡ったところに、白鳥古墳(しろとりこふん・しらとりこふん)と呼ばれる古墳があります。

以前は隣にある法持寺が管理し、その後1876年(明治9年)からは熱田神宮、戦後は名古屋市が管理しています。

もともとは全長70mの前方後円墳でしたが、現在は原型を留めていません。

この古墳は、天火明命(あめのほあかりのみこと)を祖神とする尾張氏(おわりうじ)という士族の首長の墓と考えられていますが、熱田神宮社殿によると、別の伝説が残っています。

それは、日本武尊(ヤマトタケルノミコト)が熊褒野に葬られた後、白鳥となって妃のいる熱田の地に降り立ったというものです。

熱田神宮に日本武尊が叔母に当たる倭姫命(ヤマトヒメノミコト)から授かったとされる草薙神剣(くさなぎのみつるぎ)が祀られているということもあり、熱田神宮と日本武尊のつながりは深いのです。

白鳥古墳では、今でも毎年5月8日に、熱田神宮による「御陵墓祭」が行われています。

そういうわけで、この辺りを白鳥と呼び、公園、庭園、古墳、橋などの名前にもなっているのです。

ちなみに、「日本武尊が死の前後に白鳥となって舞い降りた地」という伝説の残る場所は関西・四国を中心に複数あり、その多くには神社が建立されています。

白鳥とはハクチョウではなく、サギの一種ではないかと言われています。

シラサギ
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