あまり知られていませんが、熱田神宮の南門のすぐ前の脇には「蔵福寺(ぞうふくじ)」というお寺があります。
このお寺は熱田神宮とは直接的な関わり合いがないものの古来、熱田神宮と共に親しまれてきた歴史があります。
以下ではこの蔵福寺と蔵福寺でいただける御朱印についてご紹介しておきます。
項・一覧
「名古屋・蔵福寺」とは?
- 創建年:不詳
- 再建年:慶長年間(1596年から1615年まで)
- 山号:宝亀山
- 宗派:浄土宗西山派
- 御本尊:阿弥陀如来
- 御祭神:多賀寿命神、えびす、大黒神(大国さん)
御本尊?御祭神?という言葉が見えて戸惑いを感じた方もいると思いますが、蔵福寺は古式を留めた神仏習合の寺院です。
理由は本堂にて阿弥陀如来と多賀殿にて御祭神となる「多賀寿命神」、「えびす神」、「大国さん」を祭祀しているからです。
故に「多賀殿」や「本堂」と呼称する形態になります。
この蔵福寺についての由緒は不詳とされており、少なくとも江戸時代より正覚寺(しょうがくじ/熱田区神宮4-7-22)に属する末寺として存立しています。
境内は広いとは言えず、境内入って正面には多賀殿、その多賀殿を正面に見て左脇には阿弥陀堂(本堂)、多賀殿の手前には社務所?寺務所?社寺務所??・・があります。
多賀殿は正面に銅葺きに鬼板が据えられた唐破風屋根の向拝が見え、その後方に拝殿、本殿が配されています。
阿弥陀堂(本堂)も多賀殿と同じく、正面に銅葺きに鬼板が据えられた唐破風屋根の向拝が配され、その奥に母屋部分がみえます。
阿弥陀堂は堂舎の出入口にたくさんの「しゃもじ」が奉納されている様子が特に目を惹きます。
以上、蔵福寺の境内は参拝者がウロウロウロウロ・・ウロっ!ほぅ!
・・などと、少々、浮かれた気分でノーテンキにスキップするのが難しいほど境内は広いとは言えず、アッチもコッチもと自由に跳ね回ることができません。
というワケで、まさかこの蔵福寺で御朱印をいただけるとは思ってもみませんのでしたので、以下の蔵福寺(名古屋)の御朱印をご紹介しておきます。
蔵福寺(名古屋)でいただける御朱印の種類一覧
蔵福寺にて拝受できる御朱印は現在、下記の3種類です。
- 「初えびす多賀殿」の御朱印
- 御本尊「阿弥陀如来」の御朱印
- 阿弥陀如来・金字の御朱印
以下ではこれらの御朱印についてさらに詳しくご紹介していきます。
蔵福寺の御朱印の種類・初穂料(値段)
「初えびす多賀殿」の御朱印
- 初穂料(値段):300円
- 授与場所:境内寺務所
御本尊「阿弥陀如来」の御朱印
- お布施(値段):300円
- 授与場所:境内寺務所
阿弥陀如来・金字の御朱印
- お布施(値段):300円
- 授与場所:境内寺務所
蔵福寺の御朱印の授与場所
冒頭でもご紹介した通り、拝殿手前の寺務所になります。
注意点としては、神主さんが居られないときは御朱印帳に記帳していただけないということです。
寺務所は常に人がいるわけではありませんが、現在、世代交代で娘さんが神主をやっておられる関係で外祭へも出ておられます。
外祭へ出ておられる間は留守状態になるのですが、代わりに先代の神主さんが居られることがあります。この場合は窓口に設置されているピンポン(呼び鈴)を押すことにより、内側からガラガラっと、窓口が開いて御朱印の受付していただけます。
⬆️朱印帳をお出ししたが神主さんが留守のため書いていただけない
授与時間は定まっていません。おおむね午前9時30分頃〜夕方15時頃までです。(15時以降は電話確認してみてください)
定休日も不定休なので参拝後に御朱印を拝受される場合は「052-671-2792(蔵福寺)」へ電話されてご確認されることをオススメしておきます。
蔵福寺の御朱印授与場所の混雑具合
蔵福寺境内は空いています。土日祝日、連休でもあまり存在が知られていないこともあり、空いています。
一年のうち境内がもっとも賑わうのが初えびすのときですが、この期間中に限定で頒布されている朱印はないので行列ができて並ぶようなことはありません。
蔵福寺の境内の様子
境内入って正面が多賀殿、左側が阿弥陀堂(本堂)
多賀殿(多賀寿命殿)
境内入って正面に鎮座する建物です。略して「多賀殿」。正式には「多賀寿命殿」と呼称するようです。(神主さんは「多賀殿」と略して呼んでおられます。 )
多賀殿は「多賀寿命神(多賀大神)」とされる神さまをお祀りしています。多賀大神とは多賀大社(滋賀県犬上郡多賀町)に鎮座しておられる神であり、「伊邪那岐大神(いざなぎのおおかみ)」と「伊邪那美大神(いざなみのおおかみ)」を指します。
多賀寿命神のご利益
長寿、健康、厄災消除、交通安全、縁結び
えびす、大黒神(大国さん)のご利益
財運、心願成就、商売繁昌、家内安全
阿弥陀堂(本堂)
境内入って多賀殿を向かいみて左脇に建つ堂舎です。瓦葺きなので何となく外観からしてもお堂という雰囲気が漂います。
蔵福寺の御本尊である阿弥陀如来が安置される堂舎です。多賀殿の左脇に建つ建物です。
ご利益
寺務所ではご祈祷を受付しており、このご祈祷の際に授与していただける「しゃもじ」に以下の願い事を書いて奉納すると祈願成就と共に良い御縁が得られると定評があります。
- 商売繁昌、家内安全、厄除け、交通安全
- ご祈祷料:2000円、3000円、5000円
願い事が書かれた「しゃもじ」はこの阿弥陀堂(本堂)へ奉納していただけます。
蔵福寺の由緒(歴史)
蔵福寺が有名になったのは七里の渡しの時の鐘(鐘楼)に吊るされていた梵鐘(鐘)が境内で安置されることになったからです。
この時の鐘は東海道を道ゆく人々に時を知らせるために、1676年(延宝4年)、当時の尾張藩主「徳川光友」の発願によって、尾張藩御用達の鋳物師頭(いもじがしら)水野太郎左衛門家によって鋳造されたものです。
明治維新後も熱田町の人々によって守られ、鐘も撞かれていたようですが、1907年(明治40年)に廃止を宣告され、以降、内部の鐘は熱田神宮・南門の前に建つ、この「蔵福寺」に引き取られることになります。
さらにその後、今度は蔵福寺から「名古屋市博物館」に移管され、現在、館内にて常時展示されています。
蔵福寺への交通アクセス
- 蔵福寺の最寄り駅:名古屋市営地下鉄名城線「伝馬町駅」
名古屋の主要駅から伝馬町駅までのアクセス方法については下記ページをご覧ください。
蔵福寺の駐車場
蔵福寺の入口に駐車場がありますが、この駐車場にはいつも車が2台ほど停まっているため、参拝者専用駐車場というものはないと思われます。
おそらくこの2台は蔵福寺の方の所有車だと思われます。仮に駐車できたとしても収容台数が3台分ぐらいなので、上記、2台分はすでに埋まっていると考えて残りあと1台です。この1台分のスペースをめぐる壮絶な争いが繰り広げられるワケなのですが、なにぶん目の前に熱田神宮の南門駐車場があるので、熱田神宮へ参拝されることを前提として駐車されるのでしたらオススメできます。
ただ、本来であれば熱田神宮への参拝者専用駐車場であることだけは心に留め置いてください。蔵福寺への参拝ぐらいであれば30分もかからないので許してもらえるハズです。
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